
理事長方針
第75代 理事長
菊池 吉史
【はじめに】
人は何によって幸せを感じるのか。ハーバード大学が 75 年にわたって行った研究の結論は、「同じ志をもつ仲間と支え合いながら生きること」こそが、人間の幸福にとって最も大切だというものであった。それはまさに、私たち青年会議所の活動そのものである。夢を語り合い、課題に立ち向かい、共に汗を流す。その中で生まれる友情や連帯感、そして自らの成長こそが、地域に明るさと力をもたらす源となる。
青年会議所は明るい豊かな社会を創造する組織である。長きにわたって脈々と受け継がれてきたこの理念は、先輩諸兄姉の熱き想いと行動によって育まれてきた。我々はそのバトンを今、確かに受け取っている。今こそこの時代にふさわしいかたちで、力を合わせてその志をもう一段高く押し上げ、次なる時代を生きる者たちへと繋いでいこう。
仲間とともに歩んだ時間が、やがてまちを照らす灯となる。情熱を胸に、挑戦を続けよう。変革は、いつも覚悟ある 1 人の挑戦から始まる。
【楽しさを原動力に】
まちづくりとは、何かを我慢して耐える営みではない。青年会議所の活動は、本来、一人ひとりが前向きに、そして何より「楽しく」取り組めるものであるべきだ。その積み重ねが、結果として地域に新たな活力をもたらす。まずは我々一人ひとりが、日々の活動の中にこそ楽しさを見出すこと。それが自らの原動力となり、ひいては組織全体にポジティブな空気を広げていく。楽しいからこそ続けられ、楽しいからこそ人は集まり、地域が動き出す。我々には「修練・奉仕・友情」という三信条がある。一見すると厳粛で、義務的な響きを帯びているかもしれない。しかしその内実には、仲間と切磋琢磨する喜び、自らの地域に好影響を与える活動に対する誇りと喜び、心を通わせることの温かさといった“楽しさ”が確かに息づいている。困難な時代だからこそ、希望や楽しさを見出す視点が必要である。暗雲の立ち込める中でも光を見つけ、仲間とともに歩むその道のりの中にこそ、まちづくりの本質がある。我々自身が楽しそうに活動していれば、その情熱とエネルギーは、地域の人びとに自然と伝播していく。「何か楽しそうだな」「ちょっと関わってみたいな」と思ってもらえるような空気を生み出すこと。それが、地域を巻き込みながら、まちの未来を動かしていく原動力となる。青年会議所が“楽しく、力強い場”であること。それこそが、我々の時代のまちづくりを拓く最初の一歩である。
【組織運営と広がるつながり】
総務は、組織の屋台骨を支える存在である。記録や諸会議の準備運営、情報の整理・管理など多岐にわたる任務を担っており、どれも表舞台で光を浴びることは少ないかもしれない。だが、その努力の連なりが、青年会議所の信頼性と公共性を守る砦である。また、組織の知的資産は過去と未来をつなぐ羅針盤であり、会議の円滑な運営は意思決定の質を高め、活動を前進させる原動力となる。「未来へ引き継ぐ意志」として記録を残し、諸会議の準備運営等の活動においても、組織の屋台骨を支えているという誇りと責任感を求めたい。
広報は、青年会議所の存在意義と活動の価値を地域に届ける“声”である。単なる情報発信ではなく、「何を考え、どのような未来を描き、そのためにどう行動しているのか」を、共感を伴って伝える力が求められる。活動の意義とメンバーの熱意、そして地域への想いを言葉とビジュアルに昇華させ、地域住民の心を動かしていってほしい。正確さと誠実さの上に、魅力と熱量を重ね、釧路青年会議所の“今”を地域に響かせよう。
確かな組織運営と、広報が生み出す共感の輪。この両輪が力強く回るとき、組織の存在感は地域で際立ち、信頼は揺るぎないものとなる。積み重ねた努力と発信の力が、やがて地域を動かす大きなうねりとなる。
【温もりのある組織であれ】
仲間と心を通わせ、絆を深めること。それこそが釧路青年会議所の原点であり、未来を動かす力である。仲間の挑戦に拍手を送り、苦労を共に乗り越えたとき「ありがとう」と伝える。その姿勢が、強く温かい組織をつくる。釧路青年会議所が大切に受け継いできた“労い”の文化を、より一層力強く磨き上げよう。仲間と本音で語り、笑い合える関係を育み、より楽しく、より一体感のある組織へと進化させる。そのために、失敗を恐れずあらゆる方法を試し、熱中し、夢中になれる環境を作る必要性がある。楽しいから続き、続けるから成長が生まれ、成長がまちを動かす。我々の情熱で釧路青年会議所を誰もが憧れる舞台にしよう。“楽しい”の先に、新しい景色が待っている。
我々を支えてくれるのは仲間だけではない。夜遅く送り出してくれる家族。理解を示す職場。長年、そして今もなおくしろを想い続けている先輩方。その支えが活動の礎であることを忘れず、敬意と感謝を行動で示そう。
また、地域を超えて得られる学びと刺激を通じ、世界、日本、そして北海道各地の青年会議所のスケールや独自性を肌で感じるきっかけをつくる役割も極めて重要である。多くのメンバーが地域外で新たな価値を獲得できるよう、積極的な参加を促していくことが求められる。
絆と感謝を胸に、多くの人びととの出会いを楽しみながら、共に進むための確かな道筋を描いていこう。
【育てる、その先へ】
アカデミーの育成において重要なのは、「なぜ青年会議所が存在するのか」「なぜ自分がここにいるのか」という問いに対して、一人ひとりが自らの答えを見出せるための環境をつくることである。志や動機がそれぞれ異なっていても、青年会議所は誰もが必ず成長できる場である。その無限の可能性を伝え、寄り添い、導き、挑戦の機会を惜しみなく与えていこう。学びは押しつけるものではなく、共に気づき、共につくり上げていくものだ。先輩や同期入会の仲間との関わりの中で、「仲間と活動することが楽しい」「この組織にいてよかった」と心から実感できる瞬間を積み重ねよう。その瞬間が、アカデミーにとってかけがえのない財産となり、青年会議所活動の原動力となる。やがて修練を乗り越えたアカデミーたちは、釧路青年会議所の中核として、地域を牽引するリーダーへと成長していく。その背中は後に続く仲間たちの道しるべとなり、組織に新たな息吹を吹き込むだろう。アカデミーの成長は、このまちの明日を変えていく。一人ひとりの可能性を最大限に引き出す挑戦を始めよう。
【国際感覚とくしろの未来】
これからのくしろを展望する上で、欠かすことのできない視点が「国際感覚」である。経済や教育においても、地域と世界の接点を意識した取り組みが求められる時代となった。世界とどう関わり、どう価値を発信していくか。この問いをもつことが、くしろのまちの未来を豊かにする鍵となる。だからこそ、くしろにおける国際的な基盤づくりが必要である。ここで言う「基盤」とは、物理的な拠点でもあり、概念的な起点でもある。くしろの地に暮らしながらでも、国際的
な感覚を養えるような“きっかけ”や“気風”を生み出すことが求められる。世界を知ることで、くしろをより深く見つめ直す。国際的な視座で考える姿勢を育み、世界を意識することで、地域の可能性を拡張していく。そのような循環をつくりあげていくことが重要だ。国際感覚をもつくしろ住民が増え、このくしろから世界へと飛び出していく若者が増えていく。あるいは世界に暮らす人びとがくしろに関心をもち、関わりたくなる。やがて世界とくしろを双方向につなぐ人財が溢れていく。そのような未来の始点として、“国際的な土壌”を耕していこう。
【会員拡大】
このくしろには、まだ出会っていない仲間がいる。私たちは日々このまちの未来を思い描きながら、様々な活動・運動を展開している。しかし、その想いや活動の価値が、十分に伝わっていない現実もある。まちのことを真剣に考え、社会課題に対して志をもち、自分にできることを模索している青年は、今この瞬間も必ず存在している。私たちが動かなければ、彼らと青年会議所は交わらないまま、人生が進んでいってしまうかもしれない。多様性の時代、個人でまちづくりに関わる道も確かにある。だが、青年会議所でしか得られない学びや経験がある。一人では辿りつけない高み、仲間とだから見られる景色、そして共に活動することの尊さを、私たちは誰よりも知っているはずだ。この組織に触れることで人生が変わった。価値観が広がり、仲間が増え、自分の可能性が拓けた。そう語れる仲間を、一人でも多く増やしていこう。この組織を、もっと開かれたものに。もっと魅力が伝わるものに。そして、未来の仲間たちにとっての“人生の転機”となるような出会いを生み出してほしい。多くの仲間が増えれば、くしろの未来を明るくしていく力も必然的に大きくなる。




