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理事長方針

第73代 理事長
小向 秀明

【はじめに】

 青年会議所の活動・運動だけでは地域課題を解決するのは難しい。

 しかし、地域にとって青年会議所が行う活動・運動の可能性は計り知れない。

 

1952年に創立された釧路青年会議所、先輩諸氏はいつの時代も「明るい豊かな社会」を創造するために尽力してきました。その歴史と伝統は脈々と紡がれ今に至ります。2020年に始まった新型コロナウイルスも分類は2類から5類に引き下げられ日常生活に戻りつつありますが、一方で世界では令和になって戦争、燃料高騰、物価高騰など今まで想像していなかった事が起きています。しかし、私たち青年会議所の普遍的な理念は「明るい豊かな社会の創造」です。「成功は全体の1%にしかすぎない、99%は失敗の連続である」という本田宗一郎氏の言葉にもあるように、くしろ地域の明るい豊かな未来のために、意思を強く持ち、物事にくじけず思い切って行動できるのが釧路青年会議所だと私は信じています。

 

【出会いと成長の機会】

 青年会議所は全国に678ヵ所あり20歳から40歳までの会員数が約27,000名もいます。そして、青年会議所の特徴でもある諸会議や事業が各所で多数あり、全てにおいて参加できます。これは、色々な人と出会い、議論出来る機会が多いという事です。青年会議所は入会するだけでは何も学べません。普通に生活しているだけでは話せない人だったり、社業で出会ったとしても腹を割って話せなかったりしますが、JCバッジをつけていれば不思議なもので、すぐに打ち解け有益な議論ができると実感しています。それをメンバーには体感していただき、体感した事をメンバーに伝える事でLOMの発展と成長に繋げていきましょう。

 

【組織運営】

 釧路青年会議所では全ての意思決定は総会、理事会において行われます。だからこそ、それらを設える総務は「LOMの要」とも言われます。この諸会議において当たり前のように準備や作業を積み重ねて設えていただける事に感謝を忘れてはいけません。それと同時に闊達な意見、議論をしやすい環境を構築するために慣例、通例だけでは有意義な時間はつくれない場合もあります。「一念通天」という言葉のように、どのような場を提供するのか、どのような発信をするのか信念を持って行う事で、くしろ地域の未来へ繋がると確信しています。

 

【礼に始まり礼に終わる】

 歴史と伝統がある釧路青年会議所は「労い」という言葉を大切にしてきました。青年会議所の活動・運動を行うという事は、自らの時間を削っていると同時に相手の時間も削っているというのも事実です。限られた時間の中で自己研鑽に励み、切磋琢磨しながら未来に想いを馳せ信念を持って行動する事が、くしろ地域の明るい未来に繋がっていくと強く感じます。そして、私たちが青年会議所の活動・運動が出来ているのは、家族、会社、仲間、広くは先輩諸氏がサポートしてくれているからです。だからこそ、サポートしてくれている人たちに対して、労いや感謝の思いを忘れずに、「親しき中にも礼儀あり」という言葉通り、相手に敬意を持ち強い絆を育む事で、強固な組織を創り上げていきましょう。

 

【あたえる人があたえられる】

 青年会議所は年齢に関係なく入会したタイミングで、アカデミーという役職が与えられますが、入会したばかりではJCに対して右も左も分からないという状態から全てがスタートします。アカデミーは先輩メンバーから学び、教える側もアカデミー育成を通して学べる事が必ずあるはずです。ただ、慣例、通例の事をしていては時代に即さない場合もありますが、JAYCEEの本質は不変的なものもあります。「温故知新」という言葉があるように、釧路青年会議所の歴史と伝統を理解しながら現在に置き換えていく事で、次代を担う能動的なJAYCEEを育てていきましょう。

 

【マチの未来】

 青年会議所の特徴として単年度制という仕組みがあります。一年間という短い期間では出来る事に限りがあるのかもしれません。特に地域政策において結果を出すのは厳しいのが現実です。ただ、青年会議所は成功や失敗という結果にとらわれる組織ではありません。より多くの視点を取り入れ大胆な発想で5年後10年後の未来のマチを描き活気あるマチのために挑戦する事が重要です。

既成概念や固定観念にとらわれず、地域が抱える課題を捉えて行動する事が、くしろ地域の明るい未来に発展するものだと確信しております。

 

【JAYCEEとしての基本運動】

 一人の考えや行動では成し得ない事も、10人、20人と仲間が集まれば、より良い活動・運動ができ、くしろ地域の未来が明るくなります。そのために、会員拡大は必須です。しかし、単に勧誘をして会員を増やすだけが目的になってはいけません。釧路青年会議所の存在意義やJAYCEEの本質をメンバー一人ひとりが理解して拡大運動をする事が重要です。まちづくりからなるひとづくりの唯一無二の団体としてメンバー一丸となって活動・運動に邁進していきましょう。

 

【未来の担い手】

 歴史と伝統がある釧路青年会議所は、くしろ地域の子どもたちのための活動・運動に力を入れてきました。子どもたちが大人になり社会にでるときに必要な力は「生きる力」だと考えます。現代社会の変化は激しく、誰もが認識している常識が、くしろ地域の子どもたちの可能性を広げるとは限りません。JAYCEEとして未来の担い手に、何を伝えられるのか、大人として子どもたちにどのような未来を描けるのか、子どもたちの未来に向けて可能性を広げてあげる事が大切です。くしろ地域の子どもたちに夢や希望を持つキッカケを創ってあげる事が、子どもたちの未来につながると確信しています。

 

【おわりに】

 今も昔も変わらず若者から「くしろは何もない」という言葉を聞きます。私も若い時、くしろという街に魅力を感じず都会に憧れ、くしろの街を離れた一人です。しかし、ある人の「何もないからこそチャンスがある」という言葉に感銘を受け地元に戻るキッカケをいただきました。後に、その方が釧路青年会議所の先輩である事を知りました。信念をもって先輩や現役が発信してくれたからこそ、青年会議所で信頼出来る仲間が増え、様々な価値観を学べています。この唯一無二の環境を活かすのも活かさないのも己次第です。同じ時間を過ごす過程の中で最高の一年間にしましょう。

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